千歳烏山【ミライザカ】を、ちょっと〝ビジネス目線〟で観察してみた。
ある土曜日の夕方、それぞれに取材を終えて烏山区民センター前広場に集まったからすけたち。
「ミーティング方々一杯やろう」と、すぐ目の前の【旨唐揚げと居酒メシ ミライザカ】さんに入りました。
結論から言いますと、このお店には「いつか自分で飲食店をやってみたい」と思っている人にとってのヒントが随所にあるような気がします。
さすがは東証一部上場企業が展開するチェーン居酒屋さん。
そこで今回は単なる客ではなく、「店づくり」という視点からビジネス目線でいろいろと観察をしてみました。
ただ、予めお断りしておきますが、あくまでも素人のボクが外から見ての個人的な見解ですから、よい子の皆さんはせいぜい参考程度にとどめておいてくださいね。
【ミライザカ】のここが凄い1
とにかく、好立地。
まあ、これは資本力がなければマネできないことではありますが、ともあれ千歳烏山でも1、2を争う好立地です。
実際ボクたちも、烏山区民センター前広場で「どこへ行こうかな…」とふと上を見上げたら、看板がポンッと目に飛び込んできたから、というフリ客。
飲食店の集客において、これほど強い武器はありませんよね。
ただもちろんお家賃もそれなりでしょうから、それに見合った利益を上げられなければ成り立ちません。
ということで、店内はどんな感じなのかと興味津々で入口の暖簾をくぐりました。
ファサードはとっても良い感じ。
しゃれた雰囲気でありながら構えすぎていないので、気軽に入りやすい店構えになっています。
そうそう、【ミライザカ】というネーミングには、「未来のイザカヤはこうあるべきだ」というメッセージが込められているそうですよ。
おっと。けっこう空いていますね。
ただ、土曜日とはいえ、まだ夕方の5時を回ったばかりの時間ですからね、こんなものでしょうか。
【ミライザカ】のここが凄い2
壁画はパブリックドメインの鳥獣戯画!!
店内の壁をにぎやかに彩っているのは鳥獣戯画ですが、ご存じですか?
これはパブリックドメインといって、すでに著作権の保護期間が終了しているために誰でも自由に利用することができる絵画の一つなんです。
もちろん、この「自由」にはそれなりの制約はありますが、基本的には商用利用もOKで当然使用料もかかりません。
つまり、予算をかけずに有名絵画をお店のディスプレイに取り入れているというわけで、とってもNiceなアイデアですね。
ちなみに、他にもパブリックドメインの有名絵画はたくさんあり、それらを無料でダウンロードできるサイトもあります。
さてさて、元気な店員さんに案内されて奥の席に着きました。
【ミライザカ】のここが凄い3
バカ安の生ビールとハイボール。
まずは、飲み物をオーダー。
なんと、生ビールが299円で、ハイボールが199円。
むちゃくちゃ安いです。
もちろん、普通のジョッキに入っていて、味もフツーにおいしい。
これなら、「とりあえず…」というボクたちみたいなお客さんをどんどん集客できそうですよね。
お酒というのは、レアものや高級品でないかぎり、ビール以外はけっこう原価が安い商品です。
だから居酒屋さんなどのいわゆる「飲み屋」さんの場合、一般には原価率の低いアルコールをたくさん売って利益を出そうとするもの。
でも逆に考えれば、原価の安いアルコール類をギリギリのところまで安くすることで集客を図り、フードで利益を出す、という方法もあるわけですね。
しかも、大手チェーンの店場合には、個人経営のお店などに比べて仕入れ原価もかなり抑えられているでしょうから、299円の生ビールも199円のハイボールもそれなりに利益を生んでいると思われ、ますます凄いなぁ…と思ったりしたのでした。
【ミライザカ】のここが凄い4
セルフオーダーシステム+紙のメニュー。
次はおつまみの注文です。
各テーブルには、セルフオーダーができるタブレット端末が。
これ、便利ですよね。見ているだけで楽しい。
そして、ポチポチやっているとついあれもこれもと頼みすぎてしまうのがミソ。
人件費の削減とオーダーミスの防止に加えて、客単価を伸ばす効果もあるんじゃないかな、と素人ながらにいつも思っています。
とはいえ、こういった機械が苦手な人や、「めんどくさい」という人だってきっと少なくないはず。
だからなんでしょうね、ちゃんとありますよ。
紙のメニューも。
しかもこれ、タブロイド新聞風のおしゃれなデザイン。写真も文字も大きくてとっても見やすくレイアウトされています。
そして、たぶんこれは使い捨て。
各テーブルにずっと置いてあるのですが、こうした紙はすぐに汚れてしまいますから、そうしたらすぐに新しいものと取り替えるのではないかと推察します。
時々あるじゃないですか、ページとページがくっついていて、剥がすとバリバリ音がするようなメニュー。
食べるものを注文するのにちょっとテンション下がっちゃうようなヤツです。
それに比べていつも真新しいメニューなら、お客としては気持ちよく、隅々までじっくり見ちゃったりしますよね。
ただ、これも大手さんだからこそとれる手段。
何十店舗もあれば大量に印刷することになりますから、メニュー1部あたりのコストは相当に抑えられますが、
個人店ではなかなかに難しいかもしれませんね。
おっと、きました、きました、おつまみが!!
【ミライザカ】のここが凄い5
鶏肉料理が看板メニュー。
みんな大好き、唐揚げ!!
定番の人気料理の一つですよね。
そして、焼き鳥。
こちらも大人気メニュー。
他にも、鳥料理のラインナップがこんなにあります。
つまりはこのお店、牛や豚に比べて原価が安い鶏肉を、人気ある料理に仕上げて看板メニューにしているわけです。
お店側にとっても、お客様にとっても、good!非常によく考えられたコンセプトですよね。
さらには…
【ミライザカ】のここが凄い6
健康志向へのこだわり。
使っている食材にもいろいろとこだわっているようで、テーブルに設置してある醤油一つとってもこれです。
そして野菜や鶏肉、牛乳なども…。
長引くデフレによって、「安かろう悪かろう」では許されなくなっている昨今。
どんなものでも「良い物をより安く」というのが消費者ニーズです。
ビジネスサイドからすれば本当に厳しい時代になったものですが、【ミライザカ】さんではこうした企業努力もきちんと続けておられるようですね。
と、何となく店内を見回したら…
いつの間にか満席!!
いやはや、さすがとしか言いようがありません。
気軽においしく楽しめる庶民的な居酒屋さんとして、こんなにも人気を集めているんですね。
ボクももしお店を持つようなことがあったら、ぜひとも参考にさせていただきたいと思います。