絶景かな!日本で三人しかいないペンキ絵師の富士山と肌ツルツルの軟水風呂【増穂湯】

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千歳烏山駅から徒歩5分ほどにある増穂湯さんへ伺いました。

 

 

御存知の方も多いかもしれませんが、実は現在、銭湯がかなりきてます。

あのBEAMS JAPANと牛乳石鹸がコラボして「銭湯のススメ。」なる展開をしていたのも記憶に新しいところですし、

高円寺・小杉湯で番頭をしつつ、銭湯イラストレーターとして大活躍中の塩谷歩波(えんやほなみ)さんがTBSの情熱大陸に出演されていたりと、

一時期、銭湯文化は消滅してしまうのでは…という心配もされるほどでしたが、

ここ一、二年で都内の銭湯には本当に若い人が増えているなと肌で感じる次第です。

 

都内を中心とした銭湯を、設計的な技法を用いたイラストで紹介する、塩谷歩波さんの銭湯図解。おくりびとの脚本でお馴染みの小山薫堂氏や、つい先日ナンバーガールの復活でファンを歓喜させた向井秀徳氏も推薦。

 

かくいう僕も週一の銭湯は欠かさず、交互浴を1時間ほど行っています。

おかげかどうかはわかりませんが、血圧や血中コレステロールの値がガッツリ改善し、

もはや銭湯なしでは生きていかれない身体になってしまった感すらあります。

交互浴後の一杯は何物にも変えられません。

 

ちなみに交互浴とは、温かい(熱い)お湯にしっかりと限界まで浸かり、

その直後に冷水風呂に入ることを繰り返す入浴法で、

7セットも繰り返せば、あら不思議。

血液がバンバンに流れまくり、発汗爆汗、自律神経が整い、無我の境地に至ることもでき、

お肌もモチモチになれる至高の入浴方法です(効果には個人差があります)。

ある意味、温泉に浸かるよりも身体には良いかもしれないと個人的には思う次第です、ハイ。

 

家庭はもちろん、温泉でも水風呂があるところは少ないので、銭湯ならではの入浴法といえるかもしれません。

 

 

 

さて、そんな交互ヨーカーの僕が、増穂湯さんの定休日(毎週金曜日)の翌日、

世の中が10連休だと浮き足立っている最中の土曜日の一番風呂を狙ってやってきましたよっと。

 

開店時間は14時45分ですが、この日は14時半にオープンしてくれました。

 

だってゲリラ豪雨だったからね。

 

 

 

靴箱がズラーっと並ぶ玄関。一番風呂だから、好きな数字を選び放題。

 

人によって好きな数字は違うのでしょうが、僕はほぼ14番を使用するマイルールを課しています。

なぜなら、アーセナルとサッカーフランス代表のレジェンド、キングオブクールでお馴染み、ティエリ・アンリの背番号だから。

 

いくら大きなお風呂を目の前にしたからってはしゃいだりせず、

クールかつスマートに入浴するのが大人の男ってもんです。

 

そんなわけで、入浴料はこれで支払います。

 

 

ゆっポくんが描かれたステキなデザインの共通入浴券。

通常、都内銭湯の入浴料金は一律460円となっていますが、この10枚綴りのチケットは4300円。

300円おトクです。

これさえあれば、いろんな街のいろんな銭湯をキャッシュレスで利用可能。

最高すぎませんかね。

僕は遠くから単身赴任でやってくる同僚に、東京を肌で感じてもらうために配ったりしています。

都会の水って、案外なんてことないんだゼってな感じです。

 

 

 

さて、ここからは写真を少しお休みして文字だけでお伝えしていきます。

脱衣場、浴場内ともに撮影厳禁です。それこそ、銭湯図解にて描かれるのを待つか、今日行くかしか知り得る手段はないです。

どちらを選びますか、お客さん。

(世田谷区の銭湯を紹介する、せたがや銭湯ガイドで写真が見られることはあくまでも秘密だ)

 

●基本情報

・入浴料金は大人460円、中人(6歳以上12歳未満)180円、小人(6歳未満)80円。

・サウナはプラス200円。サウナ用バスタオルは100円でレンタル可能。

・脱衣場は、ドライヤー、マッサージチェアがある、ごくごく一般的な造り。

・ロッカーはもちろんありますが、貴重品は番台へ預けましょう。

・備え付けのシャンプーやボディソープもない、これまたスタンダードな銭湯。

・もちろんフロントで諸々を購入可能ですが、お風呂セットを持ち込まれるのが良いのではと思います。

 

 

●浴場内

ドアを開けると真っ先に飛び込んでくるのは富士山のペンキ絵。男湯は海に浮かぶ小島が描かれ、仕切り壁を挟んで右手はるか向こう、女湯の端に富士がそびえ立っているのが確認できます。

銭湯のアイコンと思われがちな富士山ですが、現在、ペンキ絵を描ける絵師さんは日本に3人だけといわれており(2019年5月4日現在)、どこにいっても必ず出会えるわけではありません。

 

増穂湯さんのペンキ絵は、3人の絵師の中で最高齢の丸山清人さんの作。2018年10月12日に完成させたものです。

丸山さんといえば60年のキャリアを持ち、最盛期には1日に2つの背景画を書き上げたという逸話も持つレジェンド。

80歳を超えた現在も精力的な活動をされており、ライブペインティングのイベントもされておられます。

ちょうど1週間後、お隣杉並区の阿佐ヶ谷でイベントをされるので、ご興味のある方は、ぜひ。

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イベント名:銭湯絵師ガレージライブペインティング vol.5

日時:2019年5月12日(日)12時~15時

※雨天時は翌週に延期

場所:杉並区阿佐谷北1-41-5 阿佐谷クリニック裏駐車場

ちなみに、同日は近所の商店街で、ゆうやけ市というフリマ、出店、ねぶた、路上ライブなどが行われるイベントも開催。併せてどうぞ。

 

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さてさて、すぐ脱線してしまうのは悪い癖。話はだいぶ横道に逸れましたが、浴場内はほぼ正方形に近い形状で、一番奥に麦飯石を用いた湯船と、座椅子のような形状になっているジャグジー(2席)があり、6、7人は同時に入れるかなぁという広さ。

毎週土曜日は「ぎゅぎゅっと2倍風呂、玉露・カテキン配合」風呂ということで、鮮やかな緑色が印象的なお湯になるようで、お茶と感じるかメロンソーダと感じてそういうのまで楽しむかは完全に個人の自由。

 

 

Sento is free!

 

増穂湯さんといえば、なにも変わり風呂だけやっているわけではなく、真の目玉は軟水風呂。

増穂湯さんはこの軟水を作るために莫大な予算を投じて、専用装置を導入したそうです。

詳細を語るとまた長くなってしまうのでアレですが、砂を漉したり殺菌したり、イオン発生装置にくぐらせたりと、とにかく手間暇コストがかかってます。

そんなこんなを上手にまとめた取材記事が脱衣場に貼ってあるので、ぜひご一読ください。

 

増穂湯さん自慢の軟水と玉露末成分が相まって、入浴後すぐに肌がとぅるんとぅるんな感じになることを実感します。

湯温はおおよそ39度。軟水だからか長湯できそうな、とてもまろやかな質感です。

とぅるんとぅるんのぽっかぽかになった僕。

 

 

 

そろそろ水風呂に入って交互浴開始しようと思いきや、こちらには水風呂はないとのこと。

代わりに冷水の出るシャワーがあるので、あたかも滝行のような形で疑似交互浴を決行。

 

なお、僕は交互浴を行う際に、自分は日本刀であるというイメージを持つようにしています。

ぐらぐらと煮立った湯で身体(刀身)を叩き上げ、じゅうと水につける。それを繰り返すことで、刀剣さながら頑健な身体に仕上がっていくイメージです。意味不明ですね。

 

季節の変わり目の気温変化で肺が弱っていたので、最初こそ呼吸困難になり溺れかけましたが、温冷交互に7セット目くらいなると、身体もすっかり慣れたようで、気持ちよく冷水を浴びることができました。

最後は必ず冷や水を頭からかぶってクールに終了。毛穴を締めて保温効果を高めます。

ただ、皆さまにおかれましては、くれぐれも無理はされませんように。

 

そんなこんなで1時間ちょっとの修行兼治療兼デジタルデトックスを完了。

石鹸を排水溝に落としてしまった以外は満足な入浴体験でした。

 

 

●フロントまわり

一番風呂にばかり気がいってしまっていて華麗にスルーしてしまいましたが、フロントには完成度の高い鉄道模型が飾ってありました。

 

僕には詳しいことはわかりかねますが、子どもや鉄ちゃんにはたまらんものがあるでしょう。

ビュンビュンです。

 

 

湯上りのドリンクは様々に。

缶ビールも置いてあるのがちょっと驚き。価格は結構良心的な280円と、ダブルでびっくり。

一番搾りの春パッケージを飲み忘れた方は増穂湯さんで飲むことができるでしょう。

ジュース類も自動販売機で買うより安くないですかね。

 

 

ここから銭湯通いを始める人が出てきてもおかしくない充実のお風呂グッズ。

シャンプーはエッセンシャルとソフトインワン。エッセンシャルのコンディショナーの余りようから察すると、男性客の方が多いのかもしれません。

 

ぬかっこ石鹸を始めとする、ぬかっこシリーズについては、東北訛りを感じられますが、

製造元のニード化粧品は大阪の会社です。

これ、テストに出ます(嘘)。

 

 

漫画も完備。

どなたかと連れ立って来て、自分だけが先に上がってしまっても問題ありません。

 

もし、ひとつだけ問題があるとすれば、剣客商売を始めとする男らしい漫画のの合間に、

昭和元禄落語心中の最終巻である10巻だけがぽつねんとあることくらいでしょうか。

個人的には、ぜひ一巻から読んでいただきたい作品ですし、何ならアニメも最高でした。

石田彰、山寺宏一両氏の落語は真打ちレベルの語り口!

 

そうそう、忘れちゃいけないのが、ゆっポくんの生みの親、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合(東京都浴場組合)が企画している東京銭湯お遍路巡礼スタンプノートに押される増穂湯さんのスタンプです。

 

 

こんな感じで、サウナでくつろぐ女性、ペンキ絵の富士山、軟水風呂ときて、ゾウがパオーンと鳴くスタイル。

ゾウと思いきや、バクかもしれません。

いずれにしても恍惚とした気持ちよさそうな表情に湯上りの僕は共感を覚えざるを得ませんでした。

 

水の宝石、軟水風呂にゆっくり浸かれば、僕らもみんな宝石!

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