文化は多様性によってこそ、深められ、研ぎ澄まされる【烏山図書館CD貸し出しコーナー】

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もう10年以上も前になると思いますが、友人が『千歳烏山の図書館ってアイアン・メイデンのCDとか貸し出ししてるよね』と言っていました。そのときは『いやいや、図書館のような公共性の高い施設がアイアン・メイデンとか置く訳ないじゃん』と笑って、本当だと訴えかける友人をあしらい、真偽を確かめることもしなかったのですが、いま10年以上の時を経てその真偽を明らかにしたいと思います。

 

ということで烏山区民センターは4階。烏山図書館へやってきました。

 

さっそくCD貸し出しコーナーへ。

 

うむ。充実の落語CDの数々、日本の歴史、民衆文化を語るうえでは必要不可欠な存在。古典落語も一通り揃っているようで、いかにも図書館らしいラインナップだ。

 

 

さて、では肝心のポピュラー音楽コーナーへ行ってみよう。

おー、結構数が多いなー。

ビートルズにビージーズにビーチボーイズ、そしてハービー・ハンコック。

まさにポピュラー音楽の金字塔を打ち立てたすごいバンド達だ。ポップ音楽史の系譜を追うならば言うまでもなく欠かせない存在。

バックストリートボーイズも90年代に社会現象を巻き起こしたいわゆる”スーパーボーイズグループ”。現在の男性アイドルグループの隆盛を語ろうとすれば、社会学的な見地でも無視できない存在だよね。

 

ボブ・ディラン、マイルス・デイビス、彼らはもはや文化人と言ってもいい音楽家だし、デュラン・デュランやディープパープルだってポップ、ロックの変遷を語る上ではやっぱり外せない存在。

うむ、図書館の貸し出しCDのラインナップとして違和感なし!さすが公共の施設だよね。

 

やっぱりアイアン・メイデンなんてさすがに置いてないか~

 

 

 

ん、、?

 

スコーピ、、

 

 

スコーピオンズッ!?

う、嘘だ、ここは図書館!公共の施設だろ。

 

蠍団爆発!?  しかもライブ版 !?

これは、アイアン・メイデンを見つけるより、、大変なものを見つけてしまったんじゃなかろうか、、。

 

いや!しかしだ!スコーピオンズは旧西ドイツ出身だ。きっと図書館司書の方が、旧西ドイツからアメリカでの成功を実現させた存在として、二次大戦後の世界の移り変わりの象徴として、近代史の学びのために置いたに違いない。

(でも、なんでライブ版なんだろう、、。)

 

 

 

、、マイケル・シェンカー。

たしかに、スコーピオンズの元メンバーですが、、これはもうあれですね、この貸し出しコーナーを作った担当者の方に、ヘヴィメタル好きな方が居て、ちょっとだけ自分の好みのテイストを入れたのかもしれません。

ええ、全然OKですよ、。誰にだってそういうことはあります。むしろ個の趣向が知識となり、学問が体系付けられていくのだし、文化の形成とは先人たちからの知識の積み重ね、いわば知のバトンリレーなのでしょう。

 

貸し出し履歴を見ると、

1992年の12月以降、誰も借りてないじゃん。

これはマズイよ~。27年間も棚に置きっぱなしだよ、バトン渡せてないよ!つまり千歳烏山の25歳以下の若者に1mmも伝わってないじゃん、。マイケル・シェンカーのあのフライングVのギタープレイすごいんだぞっ!なんで聴かないのっ!

 

 

、、とにかく!もう分かった!私が悪かった。

きっと10年前はアイアン・メイデンもあったんでしょう!

友人の言葉を信じず、なかば偏見にも似た自身の”図書館こうあるべし”といった狭量な価値観でもって”公共性”などという言葉を持ち出したのだ、文化の多様性と奥深さを理解できていなかった私に非がある。

友人よ、申し訳なかった。

 

 

今日は反省、。

ユーミンでも借りて帰ろう。『やさしさに包まれたなら』でも聴こ。

 

 

 

ユーミン、ユーミン。

 

 

 

 

嘘だろ~。

とほほ。

 

 

 


 

 

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